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キートレンド(1)


2005年度 世界のマーケティングリサーチ業界の全体像
 過去4年間の世界のマーケティングリサーチ産業は成長を遂げ、平均成長率は5%以上、実質平均成長率も3%を維持した。

 業界内での統合化・寡占化が進み、2005年には88件もの買収が行われた。トップ10企業の売上高は2005年業界売上高の58%を占める。

アウトソーシング・オフショアリング
の増加により、特にオンラインリサーチでは、データ処理、プログラミング、コーディングで30~40%ものコスト削減が実現した。

リサーチャーに要求されるスキル
範囲が広がる中、マーケティングリサーチ企業は、クライアントが属する産業部門から人材をリクルートするなどを通じ、コンサルティング、戦略、IT、クライアントサービスに関するスキルアップを図る広範囲な研修プログラムを展開している。

 企業は引き続き、技術力強化に重点を置いた投資を行い、高い競争障壁の維持に努めている。

オンラインリサーチ
は急速に普及し、高い回答率、スピィーディーなデータ納品、安いデータ収集コストを実現している。 オンラインリサーチはマーケティングリサーチ全体の売上の13%を占めるまでに成長している

2.1.マーケティングリサーチ業界の成長性 (売上高と成長率のトレンド)

地域別売上構成比推移(2002~2005)
単位:100万USD




地域別成長率(2002~2005)
過去4年間の平均成長率は5%を上回り、実質平均成長率は3%である。




成長率の算出
絶対成長率は、為替レートの変動の影響を除外して算出。前年の値には当年の為替レートを採用
(出所: 国際通貨基金 IMF: International Monetary Fund)
実質成長率はIMFの公式インフレ率を用いて調整、算出。

2.2.マーケティングリサーチ業界での統合化・寡占化

進む業界内での合併
売上上位10社の業界占有率推移(1992~2005)


マーケティングリサーチ企業は、スケールメリット実現のため合併を行うことで、クライアントに対して、より広範囲なサービス基盤と地域展開を提供し、インターネットアクセスパネルなど、新規開発分野への糸口を獲得した。
過去10年間には、VNU、TNS、Kantarなど、グローバルネットワークを構築する動きが見られ、またより広範囲な合併によって企業規模が拡大し、その存在が注目を集めることとなった。 これらの企業は、確固たるブランドアイデンティティを確立し、一貫した方法と分析ツールを用いて大規模な国際間調査を実施することが可能となった。

1991年に36%のマーケットシェアを占めていたトップ10リサーチ企業だが、2005年には58%にまで拡大した。 昨年の最も大きな企業買収のひとつは、GfKがNOP(2004年のランキングで9位)を買収したことであろう。 これにより、GfKはKantarを抜き、世界第4位のリサーチ企業になった。 しかしこのような大規模提携は稀であり、多くの買収は、特定の分野や調査方式に長けた、各国ローカルでの企業間で行われるのが通例となっている。

本書30頁のリサーチ企業トップ25記事では、近年の合併・買収戦略に関するより詳しい分析、また36~41頁の業界ジャーナルセクションでは、企業間の買収活動の例がそれぞれ紹介されている。

ますます有利な立場を示すクライアント
サプライヤーへのコスト管理に重点を置くクライアントの要望はますます厳しくなり、クライアントはマーケティングリサーチサービスに対しても、より低価格で利用できることを期待している。 現在、8社以上のリサーチ企業がグローバル展開を行っているが、このようなグローバルリサーチ企業が中心になって、ボリュームや契約上の独占権を見返りとした値引き合戦が引き起こされている。 多国籍企業のクライアントは、サプライヤーの数を減らすことでリサーチ支出を一元管理する傾向にある。 最近の例として、IBM (TNS)、P&G (VNU)、Hewlett Packard (Ipsos)などが挙げられる。

広範囲にわたるM&A
世界のマーケティングリサーチ企業の中で、着実な長期成長を実現する強力な事業基盤を有していたり、製品・サービスの範囲拡大を積極的に行うリサーチ企業に対して、大手の情報サービ企業や総合的なマーケティング企業、大口の投資家たちは、今まで以上に高い関心を寄せることとなった。以下に最近の例を2件挙げる。
  • 2005年4月、J.D. Powerは、国際的出版社で金融・情報・メディアサービスのプロバイダーでもあるMcGraw Hillを買収した。
  • 2006年5月、ベンチャーキャピタリスト、Valconは世界第1位のリサーチ企業であるVNUを買収した。

 ・Valconは、少なくとも当面の間は、2社のビジネスを“実質的に”統合することに価値があると発表した。

 ・Valconは、VNUのリーダーシップのもと開始されたコスト削減策を引き続き行い、成長分野への投資を行うものと予想されている。

クライアント間の合併
ヘルスケア・消費財・技術の各分野での相次ぐクライアント間での合併は、マーケティングリサーチ業界へも大きな影響を与えかねない情況となっている。 年間7500万ドル以上をリサーチに費やす企業は、世界全体でわずか50~60社であることを考えると、クライアント間の合併が進めば、合併企業が全体のリサーチ予算を削減し、リサーチ全体に対する支出が減少してしまう恐れがある。


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