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キートレンド(2)

2.3.オフショアリングとアウトソーシング

主力から外れた事業を低コストの国に移転(オフショアリング)、または外注(アウトソーシング)することは、新たな経済の最たる姿であり、マーケティングリサーチについても例外ではない。 運用コスト(人件費、管理費、通信費など)の削減や技能不足・技術節減の緩和を促すことで、主力事業に専念することがこの主な目的である。
この戦略により、リサーチ企業はより実益ある製品やサービスの開発に重点を置くことができ、同時に、取引企業に値引きの圧力をかけることができる。

これらオフショアリングやアウトソーシングの行き先には、中国、インド、東ヨーロッパ諸国が考えられる。 とりわけ、知的教養水準が高く、英語を話す大規模な労働人口を抱えるインドは最も注目されている国である。


アウトソーシングされる機能


一般的には、データ処理、調査プログラミング、コーディング作業などの単純作業よりも複雑な付加価値ある作業の方がアウトソーシングするのに時間がかかるとみられている。
多くの他業界では、コールセンターサービスが急増しているが、マーケティングリサーチ業界の経験から言えば、標準化・規格化された製品に対する定性調査は電話インタビューで対応できる。 但し、調査において、地域の状況に関する知識が要求される場合は、文化の違いに対する配慮が重要となってくる。 このような場合、長時間にわたるような電話インタビューは適さない場合が多い。

移行可能な作業の大部分は、データ処理を伴う、取引関連の、クライアントと直接顔を合わせない(オンラインによる)調査のプログラミングやコーディングが中心となる。 ただし、想定される機能の範囲内で、より高度な分析・報告作業がますます増えていく可能性があることが例外として考えられる。


インドの例
オフショアリング- インドで業務を立ち上げるリサーチ企業
AC Nielsenのインドユニットは、長年、アジアパシフィックの様々な業務を行っており、昨年には、世界各地のグループの要求事項に対するサービスを開始した。 TNSは、インドのオフショア業務に携わる人員を2003年の35名から320名にまで増員した。
アウトソーシング- マーケティングリサーチを行うインド企業への 外注
アウトソーシングに関しては、データ処理、(オンライン)調査プログラミングおよびコーディングが大きな割合を占めている。 この成長著しい市場価値は9百万ドルと見られており、これは2005年のインドのマーケティングリサーチ全体の売上高、1.02億ドルには含まれていない。 グローバルトップ10リサーチ企業のほとんどがこのような形でインド企業と協働しており、ベストプラクティスの実践とリスク分散のため、複数のプロバイダーと請負契約を交わしている。 アウトソーシングは、既に急速に発展しているインドのリサーチマーケットの成長(2005年の純成長率11.4%)をも凌ぐことが予想され、今後の注目すべき分野となっている。

2.4.収斂するビジネスモデル

企業戦略やIT分野のコンサルティング企業がマーケティングリサーチ業界に進出している一方、リサーチ企業は、コンサルティング機能やシステム統合機能を急速に発展させている。 マーケティングリサーチ業とコンサルタント業の一体化は絶好の事業機会を生みだす。 クライアントが求めるのは、マーケティングリサーチに基づいた戦略アドバイスである。 米国の戦略企業などは、カスタマーインサイトのみを扱う専任担当者を有している。 コンサルティング、IT、戦略企業との競争の中、マーケティングリサーチ企業は;

企業内に戦略部門やITコンサルティング部門を増設している
戦略・IT企業との連携・パートナーシップ形成を検討し、開始している
必要とされるビジネスインテリジェンス能力のある人材を確保する目的で、研修や採用を行っている
リサーチ企業は、幅広いサービスを提供しながら、具体的なマーケットセグメントにますます重点的に取り組んでいる。 クライアントもまたリサーチ企業からデータ分析の結果に基づいたアドバイスを期待していることを考えると、各分野に対する知識と経験は大変重要となってくる。 分野別の専門性を重視したリサーチ企業の典型的な例がIMS Healthであり、同社は50年以上にわたり、医薬品業界に特化した経験を生かしている。 同様にVNUはメディア、Kantar・TNS・GfK・ Synovateの各社は消費者市場、Ipsosはビジネス・ITといった分野で確固たる地位を確立している。

マーケットインテリジェンスの重要度が増すのと同じように、トレンドウォッチングもさらに重要度を増してきている。 トレンドウォッチングでは、種々の異なる数多くのグループを捕捉し、相互に比較参照できることに大きな強みがあり、ますます多くのリサーチ企業がトレンドウォッチングに投資するようになっている。 これは大変高度なモデリングと予測技法が必要なことを意味している。 異なるデータベースを組み合わせることで、データに潜んでいる共通の脅威と中心となるニーズを発見することができる。 いままでの製品選択パターンは、変わってきている。 消費者行動の変化が速くなるにつれ、今後、行動を予測するのはますます難しくなるからだ。



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