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「ライブラリー 林知己夫/小林和夫」はこちらから・・・

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 JMRAでは、「小林和夫ライブラリー」を研修室に、また「林知己夫ライブラリー」を大会議室にそれぞれ開設いたしました。
 「小林和夫ライブラリー」は、故小林和夫氏が、ご生前にご自身で収集されてきた、国内外で出版のマーケティングおよびマーケティング・リサーチに関する貴重な蔵書をご提供いただいたものです。「林知己夫ライブラリー」には、故林知己夫先生がご生前に執筆された貴重な生原稿や関連資料等が収納されております。いずれも、お二人に近い方々から有効活用されることを願って当協会にご寄贈賜りました。
 当協会は、お二人に敬意を表すため、また両ライブラリーを業界関係者、研究者、学生等の方々に広くご利用いただくため、閲覧を可能にいたしました。

 閲覧ご希望の方は、別紙「資料閲覧申請書」にご記入の上、JMRAにお送りください。日時を調整して、閲覧いただきます。


「小林和夫ライブラリー」「林知己夫ライブラリー」については、「マーケティング・リサーチャー」(105号、106号の2号に連載)にて、これらの概要が紹介されていますが、抜粋を以下にご紹介します。


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◆「林知己夫著作ライブラリー」の開設―特徴と意義 ― ◆

〈共同執筆〉
統計数理研究所 大隅昇
株式会社ビデオリサーチ 森本栄一

■はじめに
  ―ライブラリー開設とデータベース化の経緯―

 このたび、日本マーケティング・リサーチ協会のご厚意により、故林知己夫先生の執筆・著作に関わる資料類を「林知己夫著作ライブラリー」として同協会内に開設していただくことになった(写真①)。また、これら著作資料類の簡易データベースを作成し、これを協会会員はもとより広く開示したいと考え、整備を進めてきた。この誌面をお借りしてこれらについて簡単に紹介させていただく。

 故林知己夫先生と日本マーケティング・リサーチ協会の関わりは深い。当協会の名誉会員(1985年)、そして顧問(1986年から)を務められ、1999年からは参与(終身)として務められた。先生は数量化理論・数量化法の提唱者として国内外で広く知られるが、この分野に限らず、世論調査・社会調査・市場調査など、調査方法論の理論から実務まで幅広い活躍をされ、我々にとって有用な多くの実用的調査法の基礎を確立された。このほか、日本人の国民性研究、野生動物の生息数推定、医学データの分析など、その研究の範囲は多岐にわたる。こうした業績に対して紫綬褒章(1984年)、勲二等瑞宝章(1989年)、正四位叙勲(ご逝去後)を授与された。今回開設の著作ライブラリーとそのデータベースは、こうした先生の研究成果資料を閲覧可能な形として実現したものである(写真②)。

 実は、林先生は生前にご自分の著作一覧をメモとして記録されていた。またご逝去のあと、ご家族のご了解を得て、我々で書庫に保管されていた著作物のすべてを閲覧し、通し番号を付与して整理を行なった。この著作一覧メモを電子化し、その記録情報と著作物との照合作業を行い、同時にデータベース化を進めてきた。昨年末にこれらの資料保管とデータベースの完成の目途がついたことに合わせ、ここに公開のはこびとなった。

■著作ライブラリーの概要

 著作ライブラリーに収録の文献資料類は約2000点ある。先生の研究領域は多様であり、研究論文をはじめ著作書籍、新聞・雑誌記事、随想など、多岐にわたる。また、これらの資料類の検索の便を図るために前述の著作データベースを用意した。紙幅が限られるので、収録資料のうち本協会会員諸氏、本誌読者にとって関わりのある市場調査と調査方法論、それに数量化法の分野でランドマークとなった主な著作とその登場の経緯の一端を紹介する。読者諸氏には機会があれば閲覧されることをお薦めする。<以下 省略>


大隅昇(おおすみ のぼる)
1972年、文部省統計数理研究所(現:情報・システム研究機構)第4研究部研究員。85年、同調査実験解析研究系助教授。91年、教授を経て2004年4月から名誉教授。理学博士、専門社会調査士。

森本栄一(もりもとえいいち)
1999年、東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻博士課程修了(単位取得)。日立製作所を経て、2003年、ビデオリサーチ入社。現在、同社研究開発局研究開発部副主事、専門社会調査士。


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◆「小林和夫ライブラリー」開設の紹介◆

株式会社ジャパン・カンター・リサーチ 三木 康夫

はじめに
欧米のマーケティング・リサーチ関係者のあいだで「日本の窓」といわれ、日本のMR関係者のあいだでは「世界への窓」であった小林和夫氏のマーケティング・リサーチやマーケティング関係の蔵書を、生前のご本人のご希望、また、ご家族のご厚意により、日本マーケティング・リサーチ協会に寄贈していただいたこと、また同協会が「小林和夫ライブラリー」(写真①)として協会の研修室に開設されたことなど、小林氏の生前にこれらの蔵書をどのようにするかという相談を受けていた者の一人として、喜びたいと思います。

ライブラリーの内容
寄贈していただいた蔵書の内訳は、そのほとんどがマーケティング・リサーチあるいはマーケティング関係のものであり、英語の文献約700、日本語の文献約300、およびアメリカマーケティング協会の機関誌JMR、英国市場調査協会(MRS)の機関誌の全バックナンバー等で、マーケティング・リサーチの英語の文献の収集では、質・量とも日本一であると思われます。
そのなかでも興味深い文献のいくつかを紹介すると、
・ 濱野毅・上岡一嘉「経営政策と市場調査」(1952年、東洋書館)-(写真②)
日本でいちばん古いといわれるマーケティング・リサーチのテキスト
・ 1937年、American Marketing Association発刊の
「The Technique of Marketing Research」
・ 1986年・1990年版の
「The Bibliography (著書目録) of Marketing Research Method」
 -MR関係の文献目録一覧
・ Kotlerの「Marketing Management」第2版~第11版(写真③)
これを追っていけばマーケティング・パラダイムの変化がよくわかります。
また日本語版との対応関係がよくわかります。
(ちなみに第12版の日本語版は2008年4月に出版されています)
・ JMRA監修、小林和夫氏監訳のMalhotraの「マーケティング・リサーチの理論と実践」(原題:Marketing Research : An applied orientation)の第1版~第4版(日本語は第4版の翻訳)(写真④第4版の原本と日本語訳)
その他、マーケティングやマーケティング・リサーチの代表的な文献は、ほとんど網羅されているといってよいと思います。日本語版が出版されているものについては、ここで原本との対応を簡単に調べることができます。
ただし、残念ながら、現在までのところ、これらの文献のデータベース化・体系化が進んでおらず、その全容を正確にお伝えすることはできません。早い段階での整理が望まれます。

小林和夫氏について
小林氏は、1959年、外資系広告代理店J.ウォルター・トンプソン(JWT)の市場調査研究所(のちのジャパン・マーケット・リサーチ・ビューロー=JMRB)に入社。JWTでいくつかの要職を経験したあと、JMRBの日本法人化に伴い、1982年~91年にわたり同社社長、92~96年にわたり同社会長を務め、JMRB(現ジャパン・カンター・リサーチ)の発展の基盤をつくられました。
また、日本マーケティング・リサーチ協会の社団法人化に尽力され、1987年~89年にかけ、社団法人化後の初代会長を務め、その後も協会の活動に関して、一貫して指導的な立場にありました。
また、ESOMARヨーロッパ世論・市場調査協会の日本代表も長年務められ、調査業界の社会的地位の向上、クオリティスタンダードの確立、リサーチャーの教育とレベルアップ、リサーチ業界のグローバリゼーション等に確かな実績を残されました。
「小林和夫ライブラリー」の前に立つと、小林氏のこのような幅広い活動のベースには、内外の文献についての旺盛な研究による知識の集結があったのだと思われ、筆者自身との差を改めて感じさせられるところがあり、「がんばらねば」という刺激を強く受けます。

最後に
「小林和夫ライブラリー」を開設できたことは、協会の田下会長、役員各位、現事務局長の立石氏と前事務局長の高柳氏のご尽力、ご支援によるもので、ここに厚く御礼申し上げます。
このライブラリーを基礎として内外の有力な文献が系統的に収集され、MR業界関係者、研究者、学生などに広く利用されることが小林氏の希望であろうと思います。
このライブラリーがマーケティング・リサーチに携わる者に刺激を与え、調査業界の発展のために利用されることを期待します。

三木 康夫(みき やすお)
1972年、東京教育大学文学部社会学専攻卒業。1972-1978年、1985-JMRB(現ジャパン・カンター・リサーチ)に勤務。
1992-2001年、同社社長。2002-2007年、同社会長。

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