2017平成29年

「JMRAマーケティング・リサーチ産業ビジョン」策定

2000(平成12)年に入ってインターネット調査が、速さと低コストでマーケティング・リサーチの新たな手法として台頭し、その後、デジタル化が進展するなかで、マーケティングとマーケティング・リサーチの課題もまた変わり続けていた。2017(平成29)年に策定された本ビジョン」は、そうした時代背景にあって本産業の社会的役割を再定義し、求められるリサーチャー像を見つめ直し、データを扱うプロとして社会にいかなる価値提供をしていくかについて述べたものである。

全体構成は、マーケティング・リサーチ産業を取り巻く環境を政治・経済・社会・技術の視点で説明したあと、デジタル化などがもたらす環境変化を一貫してビジネスチャンスと捉えて論が展開されている。取得できるパーソナルデータの広がり、ビッグデータの拡大、生活者の行動が可視化されるなどの状況下でリサーチャーの対応領域は拡大し、生活者の“代弁者”として目利き力を活かし仮説推論を提供する立場になると分析。そのために必要な資質と姿勢が、生活者を知り自らを磨きながら、広範囲にわたって新たな価値を提供してゆくことを根底に置きつつ細部にわたって説明されている。

そしてこれらを踏まえたJMRAの課題を、業界の枠を広げる必要性と、生活者や官への働きかけによる新たな価値づくり、産学連携による人材確保、会員社の相互連携と明確に位置付けた。

最後に本ビジョンは、全体のストーリーを未来づくりのためのメッセージでまとめた。そこでは、マーケティング・リサーチ業界で働く魅力を、発揮できる才能とそこで得られる経験と成長とに分けてメッセージ。最後はマーケティング・リサーチに参加される皆さまに向けて、世の中に魅力的な商品・サービスを増やす意義と、参加することで得られるメリットが語られ、本産業が毎日の生活を豊かにしていくという信念で結んでいる。