本文へスキップします。

フリーワード検索 検索

【全】ヘッタリンク
【全・SP】バーガーリンク
がぞう
ないよう

「クライアントの取り組みを聞く」
シリーズ第5弾:日本コカ・コーラ様
- "リサーチ"を超えて -

リサーチ・イノベーション委員会


本シリーズ第5弾は、日本コカ・コーラ(株)マーケティング本部の小林康二様と宇川有人様より、4,700万ダウンロード、対応する自動販売機(以下「自販機」)46万台に達した、話題の「Coke ON(コーク・オン)」アプリによる同社のマーケティング戦略とインサイト活用についてご紹介いただきました。アプリ会員の行動データ分析結果に観察・定性調査などを組み合わせ、アクションにつながるインサイト抽出の取り組みが進んでいるとのこと。参加者からの感想でも「メーカーが直接消費者と接し、データも得られることでリサーチが大きく変わる可能性を感じた」など、すでに始まっている環境変化を実感させられるものとなりました。

Coke ONアプリの取り組みは、消費財メーカーが顧客(消費者)の1次購買データをリアルタイムで取得し、活用するという画期的なものです。小林様からは「粒度の高い行動データを捉えられ、クーポンの活用状況までつぶさに見られる」こと、宇川様からも「製品やチャネルではなく、お客様の軸で見られること、嗜好だけでなく購買習慣が可視化され、デモグラから解放された予測に使えることが大きい」などのお話がありました。
そうしますと、「もう従来の市場調査は不要になるのか?」といった不安がよぎるところですが、「一般的な調査も組み合わせて実施している」、「目的に応じて使い分けている」とのことです。とはいえ、Coke ONアプリのような1次データ取得が当たり前の時代になると、私たちが提供する調査の役割や性格、アウトプットが変わってくることにはなりそうです。今後の技術動向を注視し、変化するクライアントの期待に応え続けていかなければ、と感じました。

日本コカ・コーラ様では、今後も自販機のオンライン化を推進し、販売予測だけでなく商品補充オペレーションにも活用していきたいそうです。また、通常、自販機で買われた飲料はその場ですぐに消費されることから、消費オケージョンと自販機の立地場所を組み合わせた分析にも期待が持てるとのことでした。さらに、こうした仕組みを恒常的に回していくためにはアプリ利用の習慣化が重要であるということで、そのためのプロモーション施策についても縦横に語っていただくことができました。
最近、生成系AIに話題が集中している感がありますが、ふだん見慣れた自販機のデジタル化がこれほどまでに私たちのビジネス環境を変化させていることを教えてくれた、たいへん意義深いイベントであったと思います。

―――
JMRAリサーチ・イノベーション委員会では、オンライン・ビジネスツールのSlackを活用し、個人の資格で参加するオンライン・コミュニティ「インサイト部」を開設しています。 一時期、過去90日以前の投稿が見られなくなっていましたが、現在は復活しています。
こちらの参加登録もぜひご検討ください。
https://www.jmra-net.or.jp/Portals/0/committee/innovation/20211025_001.pdf
―――

次回(第6弾)は9月29日(金)12:00~、Sansan(株)UXリサーチセンターの大泊様と倉内様をお招きして開催します。詳細が決まりましたら、「インサイト部」及びJMRAのホームページ等よりご案内させていただきます。
今後とも、「クライアントの取り組みを聞く」シリーズにご期待ください。


2023.8.22掲載