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「プレゼンス向上にむけて!」~マーケティング・リサーチの新たな出発~ JMRAアニュアル・カンファレンス開催される


マーケティング・リサーチの更なる飛躍を目指すという趣旨のもと、内外への情報発信、情報交流の場としたカンファレンスを2006年度より毎年開催することとしました。 
その第一回目となる今回は、「『プレゼンス向上にむけて!』~マーケティング・リサーチの新たな出発~」と題した2006年度JMRAアニュアル・カンファレンスを、2006年11月30日(木)、センチュリーハイアット東京にて開催いたしました。

第1部
第一部では、牧田孝担当業務執行委員の挨拶で幕を開け、満席の会場の中、基調講演、JMRAの3つの調査研究部会と公募による会員社5社、ならびにKOSOMAR(韓国世論・市場調査協会)の加盟社からの研究発表、海外市場調査協会からのメッセージが行われ、最後にJMRA田下憲雄会長の挨拶で締めくくられました。

1.基調講演
 基調講演は、東日本旅客鉄道株式会社IT事業本部ITビジネス部長の田辺滋氏より、『Suicaを中心としたJR東日本のIT事業』と題しまして、Suica導入の経緯から現在の実績、金融機関や家電量販店等との提携戦略、モバイルSuicaによる将来ビジョンなどについてお話いただきました。このうち、将来ビジョンに関しては、Suicaを同社の事業構造革命の中核として位置付け、「顧客サービス」から「個客サービス」への転換などを目指して取り組まれていることが紹介されました。

東日本旅客鉄道(株)
IT事業本部ITビジネス部長 田辺滋氏

2.JMRA調査研究部会からの研究発表
  JMRAの調査研究部会からは、それぞれにおける調査研究の成果の中間報告として、以下の発表がありました。

『住宅地図からの無作為抽出標本調査の検討』 
  非名簿フレームによる無作為抽出法の研究委員会 鈴木 督久 氏(株式会社日経リサーチ)
『被調査者の意識と調査協力について―ランダム標本とアクセスパネルの違い』
  被調査者の調査研究委員会 吉冨 一郎 氏(株式会社ビデオリサーチ)
『インターネット調査の品質向上に関する研究(パネル、データ、テクノロジ3つの視点から)』
  インターネット調査に関する研究委員 福羽 泰紀 氏(株式会社マクロミル)

3.公募研究発表
  多くのハイレベルな応募から選ばれた公募研究発表では、以下のプレゼンテーションがなされました。いずれの発表も、十分に研究された内容を分かりやすくプレゼンテーションされた素晴らしいものであり、参加者にも発表者の熱意が伝わったようで質疑応答が活発に行われました。

研究発表風景

I. 『モニター調査における回収率とデータ精度の管理』
  株式会社電通リサーチ 田中 宏昌 氏
12年に及ぶ「大規模パネルによるデータベース調査システム」の実施・運営の経験から得られた、回収率とデータ精度の向上を目的とした同社における取り組みなど、研究成果についての発表がされました。

II. 『傾向スコアを用いたインターネット市場調査データの補正』
  株式会社ビデオリサーチ 森本 栄一 氏
同社のACR(Audience and Consumer Report)調査のデータを用いて行われた傾向スコア調整法によるインターネット市場調査データの補正に関して、概念的な説明がなされ、あわせて実データでの適用例など、研究成果についての発表がされました。同社における取り組みなど、研究成果についての発表がされました。

III. 『FA主体によるファンデーション調査紹介―「匂い」がブランドスイッチを引き止める―』
  株式会社ゲイン 井上 英之 氏
大量のFAをいかにすばやく分析できるのかを目的に、テクスト意味空間分析システムにて実施したFAを主体としたファンデーションに関する調査の分析結果の報告と、テクスト意味空間分析法の特徴など、研究成果についての発表がされました。

IV. 『~脱コモディティ化に向けての新たな価値創造~「経験価値構造化へのアプローチ」
-経験価値フレームの構築によるリサーチの有効的活用に向けた事例研究』
  株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント 佐藤 史 氏
脱コモディア化に向けた新たな方向として注目されている経験価値マーケティングに焦点をあて、経験によっていかに強いブランドが作られていくかのプロセスを構造的に捉えるためのリサーチの研究結果など、研究成果についての発表がされました。

V. 『CSRマーケティング-社会的価値観からのマーケティングアプローチ-』
  株式会社インテージ 森 賢三 氏
社会的価値観を主として生活者の実態を把握するものさしとして開発した独自のセグメントSVS(Social Value Segment)によって得られた調査結果から、SVSのCSRマーケティングにおける可能性など、研究成果についての発表がされました。

4.海外発表および海外市場調査協会からのメッセージ

  KOSOMAR(韓国世論・市場調査協会)の加盟社からは、以下の発表がなされました。

『Online Research Industry in Korea』 
Embrain.co.ltd Lee, In Pyo 氏 
韓国におけるインターネットの利用状況やオンラインリサーチの現状、課題、その課題を踏まえた同社の取り組みなど、研究成果についての発表がされました。

さらに、昨年から親交を深めてまいりました韓国と中国の市場調査協会の代表として、 
KOSOMAR(韓国世論・市場調査協会) Ick-Sang Roh 氏
CMRA(中国市場調査協会) Jian Xin He 氏
よりメッセージをいただきました。


KOSOMAR理事 Ick-Sang Roh氏


CMRA秘書長 Jian Xin He氏

第2部
 会場を移しての第二部、情報交流会にも多くの参加者が来場され、盛況となりました。JMRAカンファレンス委員会の五條雅史統括の挨拶で始まり、ネスレ日本株式会社マーケティング情報部部長の桂木英明氏より、リサーチユーザーとしてのメッセージをいただきました。
また、第一部の公募研究発表を対象として、会場参加者の投票によって決まるベストプレゼンテーション賞には、単なる事例紹介に留まらず、テーマが調査業界・リサーチユーザー双方にとって非常に有益なものである等の評価を得た、田中宏昌氏(株式会社電通リサーチ)『モニター調査における回収率とデータ精度の管理』が、ベストペーパー賞には佐藤史氏(株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント)『~脱コモディティ化に向けての新たな価値創造~「経験価値構造化へのアプローチ」-経験価値フレームの構築によるリサーチの有効的活用に向けた事例研究』が選出され、それぞれ表彰されました。


ベストプレゼンテーション賞を受賞した
(株)電通リサーチ 田中宏昌氏


ベストペーパー賞を受賞した
(株)リサーチ・アンド・ディベロプメント
佐藤史氏

会場は終始和やかな雰囲気のなか、リサーチャー同士、リサーチャーとクライアントとの情報交換の場として、活発な情報交流が行われました。

なお、本年度カンファレンスの参加者は、163社544名(正会員社59社378名、賛助会員26社75名、一般36社46名、海外14社16名、招待28社29名)でした。