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1.2 地域ごとの概要

欧州

欧州のリサーチ業界の2006年の成長率は5.0%、インフレ調整後2.8%と、全地域中最低の成長率であった。 地域別でのマーケットシェアは欧州が最大であり、取引高は105億9,700万米ドルに上った。


欧州で第3位のマーケットであるドイツは成長を続けており、成長率は5.0%、インフレ調整後3.1%で、フランスや英国に比べると2倍以上の伸び率であった。 予想どおり成長率がほとんどゼロのフランスと英国は、市場が成熟し大手企業間でのシェア争いが激しくなっている。

中・東欧諸国とトルコへの外資の直接投資が増加し経済成長が加速して、リサーチ業界も成長を続けている。 新規参入業者も増え、価格競争も厳しさを増すとみられている。

世界で最も前年比の成長率が大きかったのは、40.3%(インフレ調整前)の成長率を記録したロシアであった。 既存の外資企業の顧客に加えて、成長著しい国内の消費財や小売業の顧客からの需要が拡大し、ロシアのリサーチ業界は活気づいている。 ESOMARの2007年価格調査から、生活費の上昇とともにリサーチのコストも上昇していることが窺われる。 需要の急拡大に供給が追いつかず、ウェイティングリストに顧客が名を連ねているというリサーチ会社もあるという。

マーケットリサーチの取引高-欧州
2002年から2006年(100万米ドル)


 
欧州で急速に成長しているマーケット 2006年の純成長率(%)

国別データについてはESOMARホームページを参照。

 

北米

マーケットリサーチの取引高-北米
2002年から2006年(100万米ドル)

国別データについてはESOMARホームページを参照。

早くからオンラインでのデータ収集を始め、価格低下を初めて経験したのは、北米のリサーチ業界であった。 この地域は、2006年の取引高が88億8,400万米ドル、前年比6.6%、インフレ調整後3.4%の成長率を達成し、現在もその弾力性と革新性において世界のリサーチ業界をリードし続けている。

 
2005年の米国の成長率は6.6%、インフレ調整後3.3%に改善し、取引高は2006年に82億3,200万米ドルに達した。 この成長を支えたのは、価格下げ圧力が強い定量調査および予想外に実施額が伸びた定性調査であった。

米国の上位50社のデータを見ると、医療業界とマスコミ業界の伸びが堅調であったため、この分野が平均以上の取引額増となったことが見て取れる。

カナダのリサーチ業界の業績も米国の業績を反映して、成長率が6.4%、インフレ調整後4.5%で、取引高は6億5,200万米ドルであった。

特に北米では、リサーチ市場規模全体でマスコミ業界が占める割合が最大で、世界平均の15%を上回る24%である。

顧客別構成 - 北米
2006年(%)

 

アジア太平洋

アジア太平洋では、あらゆる業界の顧客がリサーチの予算を増加させている。 2002年から2005年に掛けての連続4年間、この地域のインフレ調整後の成長率は全地域中最高であった。 若干の減速はあるものの、この地域のリサーチ業界は引き続き順調に成長し、前年比の成長率は8.7%、インフレ調整後6.6%で、2006年の取引高は35億3,000万米ドルに達した。

日本のリサーチ業界は、成長率4.3%、インフレ調整後3.9%と、3年連続で拡大し、オーストラリアでもオンラインデータ収集の人気が高まり、順調な成長が続いている。 オンラインリサーチは、この2つの高コスト市場での拡大により、同地域での採用件数増につながっている。

中国とインドの両国と、その他の小規模なマーケットは、二桁の成長を記録した。 中国はオーストラリアを抜き、同地域で第2位の市場となった。 インドでは、マーケットリサーチの取引高には含まれていないリサーチ請負業者の業績が70%以上伸びて、1,500万米ドルを超えた。


 マーケットリサーチの取引高-アジア太平洋
2002年から2006年(100万米ドル)


アジア太平洋で急速に成長しているマーケット 2006年の純成長率(%)

国別データについてはESOMARホームページを参照。

 

ラテンアメリカ

ラテンアメリカのリサーチ業界は、前年比17.1%、インフレ調整後11.3%の急速な成長で、10億ドルを突破し12億300万ドルの取引高を達成した。 2006年ではこの地域が最も急速な成長を遂げた。

国内の好景気、経済改革と医療改革、そして急増する消費者層の拡大が、大規模な選挙が実施されたこの年の急成長の要因であった。

それまでの2年間に買収活動が活発に行なわれたため、世界的なリサーチ企業がこの地域でのシェアを伸ばした。

6カ国で二桁の成長を記録し、そのうち、最も成長が大きかったのはニカラグアで、複数の民間調査会社が行なった外資による健康関連の調査が大きな要因となった。 この地域最大のマーケットであるブラジルは、前年比20.4%、インフレ調整後14.7%と非常に大きな伸びを記録した。

 マーケットリサーチの取引高
-ラテンアメリカ

2002年から2006年(100万米ドル)


ラテンアメリカで急速に成長しているマーケット 2006年の純成長率(%)

国別データについてはESOMARホームページを参照。

 

中東およびアフリカ

取引高が最も小さい地域でありながらも成長を続けており、成長率14.4%、インフレ調整後9.5%、2006年の取引高は3億8,500万米ドルであった。

この地域で最大の市場、南アフリカは前年比9.7%、インフレ調整後5.0%で予想通り確実に成長している。 最も急速に成長しているのは、その他の中東諸国とされたグループであるが、これはイランとイラクの取引高を含めたことによるものである。 この地域の成長の要因となっているのは、好景気に沸き、それに伴ってリサーチ業界も活気づいているGCCである。

 マーケットリサーチの取引高
-中東およびアフリカ

2002年から2006年(100万米ドル)


中東およびアフリカで急速に成長しているマーケット 2006年の純成長率(%)

国別データについてはESOMARホームページを参照。


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