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APRC 2018(11/15~17:台湾・台北)参加報告

ほんぶん・りーど
APRC(Asia Pacific Research Committee)カンファレンス 2018が、2018年 11月15日(木)~17日(土)に台湾・台北市において開催されました。
ほんぶん
2018.11.20
報告: JMRA事務局長 中路 達也
JMRA ISO/TC225国内委員会委員長 一ノ瀬 裕幸

APRC 2018 AI TAIWAN(forum)の概要

APRC 2018は全3日間の工程で、フォーラム、展示会、企業訪問及び文化行事の構成でした。フォーラムでは、「AIの変化における市場調査」をメインテーマに、「人工知能(AI)の意味」、「ビッグデータの操作」、「変化する市場調査」という3つのサブテーマで、初日に4キーノートセッション、2日目は11セッションが行われました。

<会場ロビーの様子>

・近年、AIの技術は医療分野での実用化において飛躍的な進歩を遂げている。現場レベルでのAIによる画像解析の活用として、台北医学大学(特に癌治療)やアマゾンの事例が報告され、マイクロソフトの技術戦略部門からは、AIによる技術変革として「Super Intelligence」の概念が発表された。

・AIのトレンドとして、「analysing」→「mining」→「learning」と進んでいる。ニュージーランド、中国、台湾のリサーチャーから市場調査における変化、インサイト発見からトレンド予測・予見についての発表が相次いだ。

・多様なデータを一つのプラットフォーム上で分析・可視化する、スマートマシーンやソフトウェアが各国で開発され、その覇権争いが激化している。イギリス、台湾のアナリストより多くのプラットフォームの紹介があった。

・日本でも「AIの進歩によってリサーチャーの仕事が奪われるのではないか?」といった懸念が聞かれることがあるが、今回の発表では総じて「AIが単位コストを減らすことを通じ、処理可能な業務ボリュームを増やす」ことが予測され、「リサーチャーが果たすべき役割はますます高まる」ことが強調されていた。

<発表の様子>
APRC委員会代表者会議(APRC Summit Meeting)の概要

11月15日(木)の午後に、アジア各国の協会代表者(日本、中国、台湾、韓国、オーストラリア、マレーシア、ニュージーランド)とオブザーバー(GRBN、ベトナム)による代表者会議が開催されました。
APRC事務局及び各国からの定例報告のほか、主な報告は以下の通りです。  

・フィリピン、ベトナム、香港といった地域の市場が活発化している。中でもカザフスタン、ミャンマー、ラオスといった新興国の成長が顕著である。
・ベトナムのゲスト参加者より、APRCへの加盟を希望しているが、ベトナムでは業界団体の設立が難しい(政府による規制が厳しい)という報告があった。
・GDPR対応についてはアジア各国でも大きな課題となっており、オーストラリアと日本の取り組みが発表された。ISO/TC225国内委員会委員長 一ノ瀬 裕幸氏がプレゼンテーションを行った。

<一ノ瀬委員長発表の様子>

・議長(中国)よりAPRC参加国間での共通調査を実施し、毎年の会議で発表を行いたいとの提案があり、2019年度は日本、中国、オーストラリアが質問項目(用語定義の統一を含む)を検討することとなった。
・次回APRCは、2019年8月7~9日、オーストラリアのシドニーにて、オーストラリアの協会(AMSRS)の年次総会であるFestival Of Research 2019との合同開催となる。
また、2020年は成都(中国)、2021年はニュージーランドで開催の予定。

上記のように、APRC 2018 AI TAIWAN では多くの先端研究の成果に触れることができ、さらに各国の参加者と個人情報の取り扱いや市場調査の信頼性の問題など、共通の課題について議論を交わすことができました。何より、会場となった台北医学大学の若いスタッフの親身な応対と、連日の豪華で美味な食事の接遇には感謝・感服の3日間で、改めてNew Taiwan Powerを実感させられました。


<食事風景>


当日の模様の動画はこちらから