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ESOMAR Congress 2018 参加報告

ほんぶん・りーど
ESOMAR Congress 2018が、2018年 9月23日(日)~26日(水)にドイツ・ベルリン市において開催されました。
ほんぶん
2018.10.5
報告:ISO/TC225国内委員会委員長 一ノ瀬 裕幸

トピックス①: 大嶋 バニッサ 氏(スターバックス・ジャパン)がベストペーパー賞を受賞
JMRAアニュアル・カンファレンス 2018「Women in Research (WIRe) 東京支部セッション」においてもパネリストを務められた大嶋 バニッサ 氏が、今回のESOMAR大会で発表された中で最も優秀な論文に与えられる「ベストペーパー賞」を受賞しました。

論題: “Finding your purpose: Learning Every Damn Day, How to interpret your world and find your IKIGAI”
(論題邦訳: 目的を見つける: ひどい日常から学び、あなたの世界を解釈して生きがいを見つける方法)
要旨(プログラムより): 「生きがい」― 生きる理由。どのような調査技法があなたのビジネスや個人ブランドのためにこれを明らかにできるでしょう? 生きがいにつながる歩みを始めるために、シンプルな調査技法を適用する方法を私と一緒に聞いてください。


トピックス②: 大志摩 丈嗣氏(メットライフ生命・日本)が発表
メットライフ生命ニューヨーク本社のYadav氏と同社・日本の大志摩氏による共同発表がありました。メットライフは今年で創業150周年、日本で営業を開始して45周年を迎えた生命保険業界のリーディングカンパニーです。
講演では、マーケットセグメンテーションに始まり、アイデアテスト等の市場調査を通じて2016年にブランド再構築の数ヵ年計画を立ち上げた事例が紹介されました。

論題: “Transforming an Iconic Brand to Help Customers Navigate Change in Japan”
(論題邦訳: 日本の顧客の変化を導き支援する、象徴的なブランドへの変身)
要旨: 世界で最も長寿で、社会保障も整っていると考えられているにもかかわらず、多くの人が老後に不安をもつ日本。そのインサイトに基づき、メットライフ生命は、日本で一般的に定年後の生活を意味する「老後」の意識を変える活動に着手しました。お客さまを深く理解することで、“保険商品”を提供するだけでなく、超高齢社会において経済面及び健康面の心配を軽減し備えるための“価値提案”への変革である、「#老後を変える」キャンペーンを通じて、ブランド認知率や企業イメージを向上させることができました。



ESOMAR会員年次総会の概要
9月23日(日)の夕刻より、87ヵ国から105名の代表が参加し、年次総会が開催されました。
会計報告の後に、以下のトピックスが報告されました。
  •  
  • ESOMARがリーチできる世界のリサーチャーは4万人以上(うち、顧客割合15%)に達した(なお、今回のCongress参加者に占める顧客割合は20%)。

  •  
  • ESOMARメンバーのうち、ミレニアル世代が22%を占める。
  •  
  • 新しいESOMAR綱領(2017年)は、今までに60の各国協会によって承認されている(JMRAも含まれる)。 
  •  
  • ESOMARとのパートナーシップ契約を締結済みの各国協会は27(JMRAも含まれる)。

    総会終幕にあたり、2年間の任期を終える現会長のNiels Schillewaert氏に対し、これまでの功績を称え、会場から大きな拍手と謝意が表明されました。
    後任の会長を含む新たな執行部の選挙は年内に行われる予定です。

    アジア地域の協会代表者懇談会の概要
    9月24日(月)の午後には、アジア地域から参加した協会代表者(日本、インド、インドネシア、フィリピン、香港)とESOMAR事務局のミャンマー担当者、フィジー担当者の懇談会が開催されました。
    各国の主な報告は以下の通りです。  
  •  
  • フィリピンの協会からは、顧客も参加し、40年の歴史がある自協会の紹介と、データプライバシーの認証も行っている(詳細は不明)こと。また、2年後のAPAC会議をマニラに招致することを目指しているとの意思表明。
  •  
  • インドの協会からは、特にYES(Young ESOMAR Society: 若手リサーチャーのコミュニティ作り)に注力していること。
  •  
  • ESOMAR事務局のミャンマー担当者からは、10月10日(水)にミャンマーのリサーチ協会が発足する予定であり、10~15社程度が参加見込みであること。
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  • ESOMAR事務局のフィジー担当者からは、フィジーにはリサーチ協会がないが、世論調査に課題があり、ESOMARが支援に入っていること。

    ESOMARとのパートナーシップ契約の深化に向けて
    JMRAでは今年度からESOMARとのパートナーシップ契約を締結し、相互協力を深めています。 GDPRへの対応策をめぐる協力をはじめ、今年7月に実施したアニュアルカンファレンスでは、ESOMAR APAC会議で表彰されたプレゼンターを招いて講演をお願いする機会を持ちました。今後はさらに枠組みを大きくとり、今回のCongressでの先進的な発表や基調講演者の中から、日本のリサーチャーが興味を持ちそうなテーマを指定して協力を願うなど、機会をさらに広げていきたいと考えています。
    また、引き続きJMRAの会員(正会員・賛助会員)向けに、ESOMARの各種イベント参加費の15%割引サービスが提供される予定です。(ご希望の方にはその都度、JMRA会員専用のプロモーション・コードをご案内いたしますので、事務局までご連絡ください)。

    今後もJMRAでは、ISO/TC225国内委員会をはじめとして、世界のマーケティング・リサーチの潮流に同期し、会員社への情報提供に努めて参ります。