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「消費税インボイス制度」対応説明会を実施
会員社によっては数百~数千万円の負担増の可能性も!?

CLT対策協議会


7月25日に財務省主税局の担当官を講師にお招きし、2023年10月から本格施行される「消費税インボイス制度」と「改正電子帳簿保存法(2022年1月~)」に関する説明会をオンラインで実施しました。最大時に94名の方々が視聴され、多数の調査員を管理しておられる会員社の方からは「このままでは大変な負担増になる、どうしたらよいのだろう?」といった声が聞かれました。説明会から得られた基本的な対応方法をレポートします。

1.消費税インボイス制度の理解
まず、今回の制度改定に関する説明が行われました。ポイントは、消費税の「仕入税額控除」を行うにあたって取引先からの「適格請求書(インボイス)」が必須になることです。平たく言うと、業務を外注する調査会社は、外注先からのインボイスがないと消費税負担が増加してしまうことになります。
詳細は当日の資料のほか、国税庁HPの動画チャンネル(インボイス塾!)等でもわかりやすく解説されていますのでご参照ください(↓)。
  https://www.youtube.com/watch?v=4xMbewyKlNk
講師からは、外注先が免税事業者であった場合に、独占禁止法や下請法への違反とならないよう適切な対応を要請されました。

 

2.JMRA会員社の基本的な対応
① 業務発注者である調査会社が売上高5,000万円以下の場合
  • 簡易課税制度(「みなし仕入率」の適用)が選択でき、外注先からのインボイスは必要ありません。経理処理も簡便な方法を採用できます。ただし、ここに該当する会員社は1割前後にすぎないとみられます。
② 売上高5,000万円超で、取引先もすべてインボイス発行事業者である調査会社の場合
  • 外注先にインボイスの発行を依頼し、従来と同様の取引を継続することで問題ありません。
③ 売上高5,000万円超で、取引先に免税事業者を含む調査会社の場合
  • 従前から消費税込みの請求書を受け取っている外注先(フリーランスのリサーチャーやモデレーターを含む)には、インボイス発行事業者に登録してもらうように要請します。その際に価格交渉が発生するかも知れませんが、「買いたたき」等の違法行為が生じないよう誠実に協議してください。
  • 今まで確定申告を行っていないような小規模個人事業主(登録調査員など)が外注先となっている場合は難題です。年収を103万円以下に抑えている調査員さんに、インボイス発行事業者に登録していただくことは現実問題としてかなり難しいと推察されます。全国に多数の登録調査員を擁しておられる会員社の場合、数百~数千万円単位の負担増となる可能性があります。
    この件については該当する会員社の実情をさらに精査し、対応策を検討してまいります。

3.改正電子帳簿保存法への対応
この法律はすでに施行され、現在は適用要件が緩和されている宥恕期間中(2023年12月末まで)です。一定事業規模以上の会員社にとっては電子データの有効活用により、経理業務のDX化につながる制度ですので、計画的な対応が期待されます。
一方、小規模な会員社にとってはシステム面や実務的な負担が増加する懸念があります。ただし、今後は会計ソフトやクラウドサービスのバージョンアップによる対応強化が期待されていますし、小規模事業者向けに「電子データ+紙」での保存を選択する制度も残りますので、進捗を見守りたいと考えます。

4.調査員など多数の免税事業者を擁する場合の対策が急務
今回は新制度の内容周知が第一目標でしたが、今後は今まで免税事業者であった個人事業主等の外注先にどう指導・要請をしていくかが焦点となります。JMRAでは、独占禁止法や下請法に違反することなく円滑に制度変更に対応していくため、引き続き制度の研究と情報発信に努めてまいります。

説明会資料のダウンロードはこちら

2022.8.18掲載