実査管理
事前準備
事前準備については以下の3項目を確認する必要がある。
- 会場の確保と適性
- 製品テストの場合の支給品、情報テストの場合の媒体
- 実査管理者によるリクルーター、インタビュアー、その他実査運営者へのインストラクション
- 1.1.会場点検
- CLTを実施する会場は、実査管理者があらかじめ現地調査を行い、適性を確認しなければならない。
注) |
会場内においては、対象者が困惑することのないように、導線を確保する必要がある。
また、その確認のため、プリ・テストを行うことが望ましい。 |
- 1.2.支給品・謝礼品管理
- CLT実施前に製品テストの場合のサンプル品(支給品)、情報テストの場合の調査ツールに関しての数量確認及び管理場所、その管理者を事前に決めておかなければならない。 また、実査後の処理の仕方は本調査契約時の事項を遵守しなければならない。
謝礼品についても同様に充分な管理を必要とする
- 1.3.インストラクション
CLT実施における調査担当者の役割分担をあらかじめ明確にし、実査管理者がインストラクションを実施しなければならない。 ただし、調査規模に応じてその役割は同一担当者が重複しても差し支えない。
特に、インタビュアとリクルーターには以下の項目のインストラクションを必須要件とする。
当然のことながら、最低限必要な「ガイダンス」(綱領の理解及びガイドラインの遵守等)と「基礎実習」を受けていることが前提となる。
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- (1)インタビュアに対するインストラクション
- 調査の目的、手順、調査票の仕組み、回収数、回収票のチェック方法、その他本調査全般にわたっての留意点
- (2)リクルーターに対するインストラクション
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- CLT調査ガイドラインの遵守
- 調査の目的、調査対象者のアタック条件、リクルート場所、時間帯の割当、その他本調査全般にわたっての留意点
以上のインストラクションを実行した上で、実査管理者はリ ルーターに対して、初めてJMRA認定プレートを貸与できる。
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注) |
役割分担とは、調査の内容によって異なるが、おおよそ以下の役割に分類される。
- 実査管理者(スーパーバイザー)
- リクルーター(街頭でのリクルートの場合)
- インタビュア
- 会場内での受付係
- 会場内での案内係
- 給仕係
- 検票係
- 謝礼支給係
- 対象者の手荷物管理係
- その他想定されるアシスタント業務を担当する係
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リクルート
調査会社やクライアントの管理するモニターから抽出する事前リクルートの場合とターゲット層を設定し街頭にて対象者を選定する街頭リクルートの場合の2つに大別される。
- (1)事前リクルートの場合
- 事前にモニター登録されている場合、または、電話等でリクルートする場合、以下の件を明確に伝え、対象者の自由意思に基づく了解を確認できた段階で、以下の件を連絡する。
- 日時
- 会場
- 謝礼
- 拘束時間(または拘束される時間帯)
- 具体的な調査協力内容
- 不都合が発生した場合の連絡先
- (2)街頭リクルートの場合
- 街頭リクルートを実施する場合の「調査設計段階でのCLTの選択基準」ならび「実施前の留意点」については「会場テスト(街頭リクルート)実施のためのガイドライン」に準拠する。
注) |
不都合が発生し、調査協力ができなかった場合での損害は、調査対象者にその責を負うことはできない。 |
実査
実査はリクルート行為、インタビュー行為に分けられる。
- 3.1.街頭リクルート行為上の留意点
- 街頭リクルートを実施する場合の留意点については「会場テスト(街頭リクルート)実施のためのガイドライン」に準拠する。
- 3.2.街頭リクルートマナーの徹底
- 街頭リクルート実施時におけるリクルーターへのマナーの徹底の基準は「会場テスト(街頭リクルート)実施のためのガイドライン」に準拠する。
- 3.3.インタビュー実施前までの留意点
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- 受付時でのリクルート条件の確認;
リクルートされた対象者が、事前に設定したリクルート条件に合致しているか否かの再確認を行う。
- 調査内容の確認または説明;
「拘束時間」「調査内容」について調査対象者に確認または説明し、承諾を得る。
- 案内;
調査対象者を開始場所あるいは待機場所にすみやかに案内、誘導する。 同伴者がいる場合は、所定の場所に案内し、終了時まで待機してもらう。 調査対象者の携行品等は、各自本人に所持させることを原則とするが、支障のある場合は調査管理者が責任をもって、調査終了まで管理することとする。
- 3.4.インタビュー実施時での留意点
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- 個別記入による集団面接の場合;
インタビュアは記入上の理解度の差異を発生させないため司会者は適度に時間をとり、進行させなければならない。
- 個別面接による調査票記入の場合;
インタビュアは対象者の理解度にあわせ、記入時間に余裕のある進行に努めなければならない。
飲食物の提供時における留意点
調査に必要な試料などの提供がある場合は、事前に取扱い・使用上の留意点を対象者に説明してから実施しなければならない。
- 4.1.事故防止
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- 飲食物提供の場合;
クライアントから提供された試料は事前に確認された管理方法で実施時まで管理しなければならない。 試料の提供方法はクライアント立ち会いでプリテストすることが望ましい。試料給仕係には専属の担当者を配置し、実施する。 衛生面の注意点はあらかじめクライアントと確認した事項を遵守しなければならない。
- 試作品提供の場合;
危険危害の発生が予想される試作品の製品テスト等(例.包丁)の場合は、不適切な使用がないよう調査にたずさわる担当者がアシスタントとして補助することが望ましい。
- テレビ等を使用する情報評価でのテストの場合;
日常生活と同様の、または使用機器の取扱説明書に準拠した環境でテストは実施されなければならない。
- 4.2.事故処理
- 事故が起こった場合、直ちにクライアントに報告し、調査会社が誠意をもって問題解決にあたらなければならない。
謝礼品取扱いについての留意点
謝礼品については、金券類が多いため、その扱いには特に注意が必要である。そのため、謝礼品提供については以下の確認事項が必要となる。
- 調査協力終了時の謝礼提供物は、実査実施前の受付時に調査主体者と調査協力者が相互に確認しておかなければならない。
- 調査終了時に謝礼を提供する場合、受付時の提供物と同一の物であることを確認して、支給されなければならない。
調査結果の記録・管理
CLT調査においては、以下の記録を行い、管理されなければならない。
- 調査概要の記録項目
調査方法で相互に確認された文書
- 実査の記録項目
- 上記1での実査記録
- 対象者の属性別サンプル数
- 対象者のリクルート地点別サンプル数
- 対象者の時間帯別サンプル数
- 有効回答数
- 有効回答率及び無効回答の内訳
- リクルーター・インタビューアーの稼動記録
- 1件あたりの所要時間
- 実査中に変更が生じた場合の理由と内容
- 備考(トラブルの有無とその内容)
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