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【レポート第1回】JMRAオンライン・ミニ・カンファレンス2022

Our New World(ESOMAR・IMRD連携企画)インサイト業界におけるSDGsの役割とは

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宮寺 一樹(ウェブ・メルマガ分科会委員長)

JMRA年次総会のプレイベントとして開催されるミニカンファレンス、今回はESOMAR・IMRD(ESOMARの国際市場調査デー)との連携企画となります。IMRD 2022の世界統一テーマであるSDGs(持続可能な開発目標)に即して、DEI(多様性・平等性・包括性)と「No.1調査」に関する当業界の課題を取り上げ、論点整理を試みるという催しになります。

今回も例年に引き続き、当日のいくつかのプログラムを取り上げてレビューしたいと思います。最初に取り上げるのは開会挨拶の直後に配信された「Our New World(ESOMAR・IMRD連携企画)インサイト業界におけるSDGsの役割とは」で、講演者は大嶋バニッサ氏(Heart-Data Inc.創業者、ESOMAR評議員)となります。

まずはSDGs(持続可能な開発目標)の説明からになります。国連が1960年から全世界でモニタリングを開始、2000にMDGs(ミレニアム開発目標)を提唱しました。
MDGsは極度の貧困と飢餓の撲滅など、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げ、達成期限となる2015年までに一定の成果をあげ、その後2015年に国連で採択されたSDGsに引き継がれたとのことです。
恥ずかしながら私はMDGsのことを今回初めて知ることができました。SDGsも期限が定められており2030年までとなっています。あと8年しかないんですね。
おそらく、2030年にさらに次の目標が採択されるのでしょう。

SDGsは「経済発展」「環境のサステナビリティ」「社会的正義」の大きく3つの項目に分けられますが、SDGsとインサイトの関係性をどのように考えればいいのでしょう。

世界を変える2つの要素があります。まずは「社会構造」です。システム・制度・文化、これらが整っているにもかかわらず、なぜ我々はまだ問題を抱えているのか。
次に「一人ひとりの意識」です。私たちの信念、価値観、動機がないと、いくらシステムや法律が整っていても変わることができません。この2つを相互に作用させる必要があります。一人ひとりのインサイトをトラッキングし、マーケティングメッセージによって意識を変えることができるかどうか、インサイト業界はこの点において大きな役割と責任があると大嶋氏は考えています。

次に大嶋氏が語ったのはインサイト業界がSDGsに対して3つのポイントでフォーカスできるという主張です。
ここで挙げられたのは、「AS INDIVISUALS(個人として)」「AS INSIGHTS PROFESSIONALS(インサイトプロフェッショナルとして)」「AS DATA PROVIDERS(データプロバイダーとして)」 です。「AS INDIVISUALS」は、我々個人個人の無意識バイアスの有無、「AS INSIGHTS PROFESSIONALS」は我々の会社や仕事の中で、例えば性別で言うと、「男性」「女性」だけでなく「その他」「答えたくない」も選択肢に入れるなど、プロフェッショナルとしてそういう意識もしなければならない、「AS DATA PROVIDERS」については我々はデータを取得する業界なので、それらを正しくクライアントや社会やマスコミに届ける役割を持つ必要がある、これら3点です。

次回で引き続きこの3点について深掘りしていきます。

2022.5.12掲載

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