AI・イノベーションセミナー第2回
リサーチ実務に活かすAIアプリ利用法
FA分類・レポート作成自動化を例に
リサーチ・イノベーション委員会
AIイノベーションセミナー第2回では、生成AIの実務応用とマーケティング・リサーチへの影響について、講師の佐藤哲也氏(株式会社アンド・ディ代表取締役社長)から説明がありました。まず、将棋AIを例にとり、AIが人間のデータからではなく、自ら学習して進化する戦略を紹介しました。これにより、既存の知識にとらわれない新しい戦略が生まれているとのことです。そのうえで、生成AIの本質は、特徴的なパターンをデータベース化することで、自然知能がデータを効率的に利用できる点にあります。具体的には、Codistやアイディエータなどのツールが、アンケートの自由回答の分類や新商品アイデアの生成に活用され、マーケティング・リサーチの効率化に寄与しています。
また、セミナーではマーケティング・リサーチの社会システム論的理解についても触れ、自由市場における意思決定の集合として市場が変化することを強調しました。LLM(大規模言語モデル)が情報化された環境でどのように活用されるかについても議論され、デジタル広告の最適化や暗黙知の形式知への転換が進むことが予測されました。最後に、生成AIがマン・マシンインターフェースやコンピュータの使い方をどのように変えるかについて説明がありました。生成AIは、自然言語でのやり取りや非構造化データの扱いを容易にし、コンピュータの新しいインターフェースとして重要な役割を果たすとされています。
後半では、当日のリリースでGPT-4oで安定性とコード数の増加に対応したCodistのデモなど、一連の同社のアプリについて説明がありました。生成AIを利用することによるリサーチ実務の革新をうかがい知ることができるセミナーになりました。100名を超える参加登録や、質疑応答も多数行われるなど盛り上がったセミナーとなりました。
2024.7.10掲載