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開催報告:AI・イノベーションセミナー第6回
「Python in Excel」で変わるリサーチ実務(事前準備編)

リサーチ・イノベーション委員会


2024年12月12日実施の「AI・イノベーションセミナー第6回」では、(株)アンド・ディの佐藤哲也氏(リサーチ・イノベーション委員)から「Python in Excel」について紹介をいただきました。これはExcel内でPythonを直接操作できる画期的なツールであり、リサーチ業務の効率化や高度化に大きく寄与する可能性があります。ただし、これまでPythonに触れたことがない方も少なくないため、今回は基礎的な事前準備情報に重点が置かれました。

「Python in Excel」ではPythonスクリプトをExcelのセル内で直接記述し、Pythonのデータ解析ライブラリ(例えばPandasやMatplotlib)を活用して、表やグラフの生成、データのクリーニング、集計を実施できます。従来のExcelだけでは難しかった複雑なデータ分析が容易になり、リサーチ業務の幅が広がると期待されます。 即戦力として、以下のような業務への展開が考えられています。

  • 1. データ処理の自動化
    PythonとExcelを組み合わせることで、反復的なデータ処理を自動化する。具体的には、Excel内でPythonコードを走らせ、データのフィルタリングや集計を行うことで、手作業でのエラーを削減し、作業効率を向上させる。
  • 2. データの可視化
    Pythonのデータ可視化ライブラリ(例えばMatplotlibやSeaborn)を使用して、より洗練されたグラフやチャートを作成する。Excelの標準機能では表現しきれない複雑なデータ可視化を行うことで、より直感的にデータを分析できる。
  • 3. 複雑な計算処理
    Excelの関数だけでは実現が難しい複雑な数学的処理やアルゴリズムを、Pythonの豊富なライブラリを活用して行う。例えば、機械学習モデルを構築し、その結果をExcelに反映させる。
  • 4. RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
    Excel作業を自動化するためのRPAシステムの一環として、Pythonを利用することでさまざまなアプリケーションと連携させたデータの取得や処理を行う。

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ただし、課題もあり、処理内容によってはPythonのコーディングスキルが必要となるため、初心者には一定の学習コストが発生します。Office 365の最新バージョン導入にかかる費用の問題もあります。しかし、このような新技術・新機能を活用することで、データ分析業務における時間短縮や精度向上が見込まれるだけに、急速に進展するAI技術の成果を取り入れることの重要性が強調されました。
質疑応答も活発に行われ、参加者からは「言語の基本的な部分から説明いただき、構造的に理解できた」「部門全体の業務改善の可能性を知ることができた」といった声が寄せられました。
一方で、「自社ではOffice 365が導入されていない」「Office 365を使用しているが、旧バージョンのため今のままでは使えない」といった社内システムやソフトウェア面の制約が意外と大きいこともわかりました。追加費用を上回る効用につき、実用例などを踏まえてご理解を深めていただく必要がありそうです。

次回のセミナー後編(2025年1月23日)では、「Python in Excel」を実際の業務にどのように活用するかをテーマに、データを取り扱う具体的な事例が紹介されます。有料形式となりますが、リサーチャーにとって非常に実用的な内容になると予告されています。多くの方々のご参加をお待ちしています。

以上

記録動画はこちら(外部サイト:vimeo)

本「Python in Excel」シリーズの第2回目、「実務応用編」のご案内はこちら

エディタV2

2025.1.15