10月25日(月)に「JMRA トピックスセミナー メンタルヘルス研修 ~事業現場の実情から学ぶ~」をオンラインで開催しました。
このセミナーは、大切な人材がメンタルを患うことで組織から離脱することを回避するために、メンタルヘルスに関する職場でのラインケア・セルフケアを促進することを目的として、人事担当者や若手を直接管理している中堅マネージャー及び経営者を対象としました。講師には、リサーチ会社での勤務経験を経て、現在シニア産業カウンセラーとしてご活躍されている、一般社団団法人日本産業カウンセラー協会東京支部副支部長の吉田千晶氏をお招きしました。前半では、メンタルヘルスケアを考えるベースとなる、職場におけるメンタルヘルスの基礎知識について、後半では、テレワーク下特有のメンタルヘルスについて、リサーチ会社等での事例を交えた予防・対応方法を、グループディスカッションによる事例検討とともにご教授いただきました。
まず、職場におけるメンタルヘルスでは、全ての働く人が心身全体の健康を保持して、仕事を含めた生活全般をいきいきと送れるような仕組みを事業主や管理職が作るために知っておくべき法律、メンタル不調の要因とその対策として特に4つのセルフケア・ラインケアについてお話をいただきました。セルフケアでは、自分自身のキャパシティを自覚し「過剰適応」を防いだり、相談窓口を活用すること、また、ラインケアでは、従業員の状況を早めに理解・把握し、業務量の調整などについて話し合い、深刻化させないなど日ごろからの声がけによる職場のリレーション作りが重要であるということを学びました。ケアを一人で背負いこむことなく専門家へつなげて連携することも重要だそうです。また、不調者の職場復帰後のフォローアップ方法についても講義いただきました。グループディスカッションでの事例検証では、思っているよりももっと早めの段階で不調に気づき、ケアに入ることが必要であるということを確認することができました。
テレワーク下におけるメンタルヘルスでは、テレワーク特有のメンタル不調の要因、セルフケア・ラインケアのポイントについて、最新事例とともにお話をいただきました。また、ハラスメントとケア方法の塩梅についてもご教授いただきました。
マーケティング・リサーチ業界は、働き方に専門性が高い、業務量が多い・業務範囲が広い、頭脳労働による脳疲労が蓄積しがち、一人仕事に陥りがちという特徴があり、さらに、常にクライアントのニーズに応えなければならないというメンタル負担も大きい業界のため、適切なセルフケア・ラインケアによって心身の健康状態を守っていく必要があると考えられます。事業主や管理職だけで対応するのではなく、同僚同士もお互いに声をかけあい、オンラインでもオフラインでも、働きやすい職場作りに日ごろから取り込みたいと思いました。
2021.11.2掲載