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withコロナに求められているリサーチャーとは~左脳から右脳への脱却~(2021.12.9)レポート

定性カリキュラム小委員会担当理事 池谷 雄二郎


JMRAの掲げる産業ビジョン「市場の計測者からイノベーションのエンジンへ」は、これからのリサーチ会社の提供する価値のあり方、リサーチャーのありたい姿を示しています。 このビジョンを実現し、VUCAと呼ばれる複雑で混沌とした時代を進んでいくために、リサーチャーが鍛え、磨いていきたい思考法として「センスメイキング理論」について、実例やワークを通じて考えさせられました。

「ロジカルシンキングに偏り過ぎではないか」、「左脳と右脳を行き来する思考が必要」、「アブダクション力を鍛える」など、リサーチャーが得意としてきた思考法を揺さぶる問題提起は、考えさせられること満載でした。主観と主観をぶつけ合う知的コンバットの必要性に共感し、課題に対するこれからのクライアントとのディスカッションやレポートのあり方を考えさせられました。

参加者は10名程度ではありましたが、今回はリアルな会場(対面型)でのセミナーで、随所で参加者との対話を交えながら講師の話が深まっていく感覚は、場を共有した顔を合わせてのセミナーならではの価値であることも再認識させられました。

「調査レポートもプロトタイプとして考えて、ディスカッションしながら完成させていくというアプローチ提案には、ハッとさせられた」という参加者のコメントにもあるように、、セミナー内容を「自分ごと化」して考えるということも、セミナーの中で実践された感覚がありました。

VTS(Visual Thinking Strategy)を使ったワークでは、1つの絵画を見ながらそれぞれが感じたこと、絵の解釈やそこに見えるストーリーを発表するものでした。同じものを見ていても、人によってこんなに見方が違うということを体感し、ありのままを見ることという、センスメイキングの入り口を体感することになりました。

「センスメイキング理論」は、外界の意味を「感じ取り」(Sense)、その中から固有の「意味」(Sense)を作り出す行動モデルであると解釈しています。つまり、「「自分ごと」で考えることにおいて、知覚力、感知力が極めて重要だということです」という講師の言葉に深く頷きました。 来年度は、この続きを連続ワークショップで実施する予定ということで、楽しみにしています。

2022.1.11掲載