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レイ・ポインター氏のワークショップ
ストーリーテリング講座~『データ』から『ストーリー』を『見つけだす』&『伝える』~開催レポート

ストーリーテリング講座 日本語サポート担当
JMRA定性カリキュラム委員会 委員長 吉田 朋子


2月2日(木)、昨今ビジネスの様々な場面でストーリーテリングの重要性が高まっている中、このワークショップは開催されました。

単にストーリーテリングと聞くと、伝え方、つまりプレゼンテーションの仕方にフォーカスされているような印象を受けますが、レイ・ポインター氏の説くストーリーテリングは、まず、データからストーリーを見つけ出すことから始まることが特徴です。更に言えば、ビジネスコンテクスト、ビジネス課題と既存データを融合させて理解したところからストーリーがスタートすることを力説してくれるのです。まず、ビジネス課題とリサーチ課題をはき違えないこと、データを集める(つまりリサーチを企画する)まえに、これまでにどんな既存データがあるのか、それをしっかりと咀嚼して始めること。リサーチャーである受講生には新鮮でありつつも耳が痛かったのではないでしょうか?

ビジネス課題は何か、手間やお金をかけて収集しなくてもすでにあるのにそのことに気づかないでいるデータがあるのではないか。ビジネス課題を解決することにつながらないデータを集めてどうするというのか? 言われれば理解できるけれど、現場ではついついスペックに走りがち。この講座は、適宜演習を取り入れることで理解を深めることが出来ました。
とあるリサーチスペック(たとえば炭酸飲料をモナディックでn=xxxで味覚テストするとして・・・・)を例題として提示しつつ、どんなビジネス課題が考えられるか?すでにある(はずの)データは何があるか?それから何が言えるか?だからどうしてこのようなスペックになったのか?そしてこのリサーチはどのような意思決定に使われるのか?どうなったらリサーチは成功といえるのか?受講生がいろいろな角度から考えをあげていきました。唯一無二の正解があるわけではない、なんとならば、ビジネス課題が違えば同じスペックでもゴールが違うから・・・・

さてリサーチ。データが集まる。データにどんなストーリーが潜んでいるか?それは見つけなければいけません。このパートではデータからストーリーを見つけやすくする、今日からでも使えそうな小道具やアタマの使い方などをたくさん紹介してくれました。 また、『ファインディングス』と『インサイト』の違いを明確に説明しているところなど、個人的には、いわゆる“ツボ”でした。

そして伝え方。数値だけでは心に響かせることができない。感情に訴えることで記憶に刻まれ、アクションにつながる。感情に訴えるのに効果的なプレゼン工夫も紹介してくれながら、最後は圧巻の演習。世界的ベストセラー『ファクトフルネス』の著者にして、カリスマ的プレゼンターのハンス・ロスリング氏のTED動画を題材に、統計データをわかりやすく、しかも心に響かせるためにどんな技を使っていたかを探し出す充実しつつも楽しいワーク。

リアル開催としたこともあり、少なめの人数でしたが、その分中身の濃いワークショップになったと思います。受講者の皆さんからは、『これまでのレポートは詳しい数表を満載にしていたけれど、これでは大事なことが伝わらないと反省した』『自分が書いた定性レポートを見直して、ストーリーとして組み立てなおしてみたい』『ここで教えてもらったストーリーを見つけやすくする数表の編集、今日からやってみる!』など、日々の業務に活かしていただけそうな手ごたえを感じて嬉しい限りでした。

最後に、ワークショップを終えた後の講師レイ・ポインター氏からのコメントを(日本語に訳して)紹介させていただきながらこちらのご報告を終えることとします。『とても中身の濃い充実したワークショップになって私も感謝したい。受講生のみなさんは熱心に取り組み、素晴らしい質問をしてくれて、私にも刺激になった。』
受講してくださった皆様、運営サポートしてくださった皆様、ありがとうございました。

2023.2.21掲載

申し込み案内

今回の貴重なワークショップをより多くの人に学習していただくために、期間限定でこちらのワークショップの動画を販売いたします。

40分~90分の5本の動画となっています。
こちらのページからご確認ください。
※日本語サポートの音声も入っています。
※ワークショップ資料PDF(日本語付き)
 英語の苦手な方でも安心してご視聴いただけます。