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第二回【マーケティングの新しい基本
顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント】

株式会社顧客時間共同CEO/取締役 奥谷孝司氏

しりょう

JMRA・広報セミナー委員会
多様なるマーケティング・リサーチの新潮流に触れる著者が語るシリーズ2023
第2回2023年7月25日 開催レポート

広報セミナー委員会 矢部裕紀子


「著者が語るシリーズ2023」の第2回目は、7月25日に、株式会社顧客時間の共同CEO/取締役である奥谷孝司氏にご登壇いただき、開催いたしました。

奥谷氏は、本書「マーケティングの新しい基本」の中で、これまでのマーケティングの基本である4P(プロダクト/プライス/プロモーション/プレイス)のモデルを進化させた「エンゲージメント4P ver.2」という循環型のマーケティング思考を提唱されています。

当日は、この「エンゲージメント4P ver.2」というビジネスモデルを用いて、デジタルの活用を前提として、お客様との独自の接点を持ち、お客様とつながり続けることやお客様を理解することに基づいた顧客戦略の重要性を多数の事例を元に、わかりやすく、たくさんの解説をいただきました。

コロナ禍によって、ネットとリアルの融合が加速され、お客様が感じる価値に変化が起こってきました。現在のビジネスにおいて、デジタルの活用は、単なるお客様との接点作りだけではなく、ビジネスが持続するために必要なお客様とのつながり作りに欠かせないものとなっています。お客様とつながっている価値とは、奥谷氏は、カスタマー・バリュー・ピラミッドで説明されています。お客様にとっての価値を、上位のつながっている価値から下位の体験価値、機能価値へとビジネスでは考えていくことで、実際のお客様には、下位の機能価値、体験価値、それから、一番上位のつながっている価値を体験していただくという考え方です。

また、ビジネスを考える上で重要な要素として、お客様と時間を共有するということを挙げられていました。奥谷氏は、「検討、購入、使用」といった顧客時間の中でも特に「使用」の時間がお客様にとって価値のある時間であるので、この「使用」の時間をお客様と共有できることが重要であると説明されていました。

更には、デジタルを活用して顧客時間を共有し、お客様とつながり続けられるように、ビジネスモデルを「エンゲージメント4P ver.2」に変えることで、戦い方や競争のルールが変化することになります。それはまた、従来の事業システムを変えることにもつながります。

参加者からの質問は、様々な角度からの質問であり、皆さまの興味の深さを感じました。

JMRAの産業ビジョンにもある通り、私たちリサーチャーも、本書の新たなビジネスモデルを理解することで、生活者と企業がつながり続け、企業のビジネスの成功をドライブする存在になれるように、また、生活者の深層心理の理解はもとより、行動や価値観の変化をより一層早く気付き、価値ある提案ができるように、生活者の代弁者として切磋琢磨していきたいと思いました。

2023.8.15掲載