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新しい生活様式の広がった2021年を振り返って

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執筆:宮寺 一樹(ウェブ・メルマガ分科会委員長)


今年も、新型コロナウイルス感染症が全てにおいて大きな影響をもたらした一年でした。


東京では、緊急事態宣言が1月~3月まで、さらに4月~6月(解除後はまん延防止等重点措置に移行)、7月(まん延防止等重点措置)~9月末と長期間に渡って宣言されていました。おおむね何かしらの制限がかかっていた我慢の一年でしたが、今現在の日本は、先進諸国の中でも感染拡大の抑え込みに成功しつつあるといってもいいかもしれません(オミクロン株のこともあり、まだまだ油断は禁物ですが)。とはいえ、製造業などでは、グローバルサプライチェーンが主流なので、世界的に新型コロナウイルス感染症が収束しなければ大きな影響が残ってしまいます。世界的な半導体不足もその一例といっていいでしょう。

スポーツでは、昨年から延期された東京オリンピックが緊急事態宣言下での開催となり、ほぼすべての競技が無観客開催となったほか、プロスポーツでは開催されるとしても制限付きとなるなど、こちらも様々な制限を受けた一年でした。海外では、いち早く観客に対する制限を解除した国や地域もあり、サッカーの欧州選手権のようにマスク無しで開催したケースもありました。日本のプロ野球では、大声で声援を送ることなどは禁止されていたため、日本シリーズをテレビ観戦しても、球場が静かなため逆に緊迫感がありました。

また、エンタメ分野を見ると、劇場公開映画の延期が相次ぐなど、大きな影響を受けましたが、ネットフリックスなどのサブスク動画配信サービスは、4~6月の売上が対昨年比で19%伸びるなど、引き続き盛り上がっているようです。コンシューマーゲーム分野でいうと、スマホではウマ娘が人気を集めた一方、家庭用ゲーム機では引き続き任天堂Switchが好評で、SIEのPS5は、半導体不足の影響で出荷数が少ないにもかかわらず、国内では転売屋が買い占めたことで購入が難しくなるなど、消費者の手元に届きにくい状況が続いています。PS5は世界的には好調で、1000万台到達がプレイステーションシリーズの過去最速記録を塗り替えたそうです。ホームエンターテインメント分野は、大きく業績を伸ばしたといっていいでしょう。

その一方で、飲食業は非常に厳しい期間が長期間続きました。店によっては、これまで行なっていなかったテイクアウト販売を開始するなど、苦しい中でも試行錯誤されているようでした。個人的には、宅配サービスの活用機会がかなり増えましたが、新型コロナウイルス感染症緊急事態の終了した10月以降は、感染対策に気をつけた上で外食する回数も増えてきました。このまま無事に年を越えたいところです。

業種によって明暗が分かれたコロナ禍でしたが、我々市場調査業界においても、インタビュー等のオフライン系の調査が大きな影響を受けました。しかし、昨年からインタビューのオンライン化が進んだこともあり、業界全体でオンライン調査への切り替えが意外とスムーズに行われた印象もあります。アフターコロナでは、オンライン・オフラインの調査が適材適所で行われ、更に最適化が進むのではないでしょうか。

なにはともあれ、来年こそは全世界的に脱コロナといきたいところです。

掲載日:2021年12月21日