執筆:橋本和彦(ウェブ・メルマガ委員会)
早いもので2024年も間もなく終わろうとしています。
皆様にとって、今年はどのような1年でしたでしょうか。
このところの良くない話題ではありますが、現在の社会環境を背景に、闇バイトによる特殊詐欺や強盗事件が多発しています。このことで高齢者層を中心として詐欺や強盗への警戒が高まり、世帯訪問型調査の実施面に影響を受けている状況で、調査環境の悪化を更に加速させる要因となっています。これは統計調査の根幹を揺るがし、今後の訪問型調査のあり方にまで影響が及ぶ深刻な問題となっています。
このことは1つの事象ではありますが、いま、マーケティング・リサーチに各種の変革が求められているタイミングでもあります。
5年振りに開催しました11月28日のJMRAアニュアルカンファレンスでは、「Beyond “Marketing Research”~新産業の協働と創造へ~」をテーマとしてマーケティングリサーチ業界に求められる変革を、ご講演、座談会、プレゼンテーションを通じて、様々な角度から課題提起がなされました。
その中にはAIの活用も重要ファクターとして取りあげられており、リサーチ業務を効率化・高度化させていくものから、「新たな価値を創造するもの」としての取り組み展開が期待されてきていることも注目されます。
そして「マーケティング・リサーチ」や「生活者情報の取得・生成」においても、AI活用の研究が進んでいるテーマであることも提示され、マーケティング・リサーチが新たなステージに入っていることが示されました。
さて、一般社団日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)は、来年2025年に創立50周年を迎えます。
ここを機に、マーケティング・リサーチを新たな概念で捉えることを目的として「これまでの産業VISIONの進捗を踏まえて、次の一歩をどのように変革していくか」をテーマとした議論がスタートしました。
2025年は、未来に向けた発展していく産業のあり方を考えていく1年にしていきたいと思います。是非、皆様も一緒に考えてみませんか。
来年もどうぞよろしくお願い申しあげます。
掲載日:2024年12月17日