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解説:インサイト市場発展指数(IMDI)2022

ほんぶん

日本の業界発展度が世界16位に浮上!
― ESOMARが『インサイト市場発展指数』を更新

ESOMAR GMR日本アンバサダー 一ノ瀬 裕幸


国際的なインサイト産業団体であるESOMARでは、第2回目となる『インサイト市場発展指数 2022』を発表しました。これは世界各国のインサイト産業の発展度合いを評価する試みで、国連の「人間開発指数:HDI」に準じた手法を採用しています。

以下、「日本語(抄録)版」より抜粋
―――

今回の日本は、「総合16位、前年比6ランクアップ」という結果であった。多少盛り返したとはいえ、市場規模としては世界第8位であり、「まだまだ低すぎるのではないか?」と思われるが、後述するように「(国際的に見たときの)専門家人材の少なさ」が総合評価を低めている。言葉を換えれば、国際化が遅れていることの反映とも言える。

表1によると、前回に続きスイスを筆頭として上位陣は欧米諸国で占められた。イスラエルが大躍進(48→19位)しているのは、前年のデータに不備があり、精査がなされた結果であろう。詳細は省くが、世界平均以下の国々の中には、指標値が大きく向上(=結果的に相対順位も上昇)しているところが少なくない。今後もデータ収集の精緻化によって変動が加わる可能性があることに留意しておく必要があるが、ランキング上位の国々の数値は比較的安定して推移していくものと予想される。

さて、表2によれば、今回日本が順位を上げた要因は産業指数(II)の向上で、これは世界の中でコロナ禍の影響が比較的小さかったためであろうと考えられる。 その一方で、評価(順位)を下げている最大の要因は、(前年よりは改善しているものの)代表性指数(RI)が低いことで、特にESOMAR会員など国際的にみた「専門家人材が少ない」と見なされていることである。これは入手可能なデータの制約と地理的・言語的条件によるところもあり、額面通りに受け取る必要はないと考えられるが、考慮すべき点である。また、かつては世界最高とも言われた調査プロジェクトの価格水準が、この10年ほどの間に大きく下がってきていることが順位に反映されていると言える。

この結果は、あくまでも国際比較のための1つの取り組みであり、必ずしもランキングの順位に一喜一憂する必要はないが、日本の相対的位置を知る一助にはなり得ると思われる。


> 日本語(抄録)版はこちら 
> 原文(英語)のダウンロードはこちら 

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2023.2.21掲載