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2023年施行予定の重要な法律の改正について

ほんぶん

JMRA顧問弁護士の鈴木理晶(まさあき)です。
JMRA会員の皆様にとって「法務」をより親しみやすいものにするため、今後、不定期でコラムを書かせていただくこととなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
さて今回は、2023年に施行されるJMRA会員社にとって重要な法律の改正をいくつかご説明しようと思います。

  1. 労働基準法改正(月60時間超の時間外労働の割増賃金率の引き上げ)
    2023年4月1日に施行予定の改正労働基準法により、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が、大企業・中小企業を問わず一律50%となります。
    月60時間を超えた時間外労働に対して割増賃金を50%に引き上げる労働基準法は2010年4月から施行されていましたが、中小企業に対しては、この引き上げが2023年3月まで猶予されていました。2023年4月からはいよいよ中小企業も割増賃金を50%に引き上げる必要があります。
    また、月60時間を超える時間外労働を22時~5時の時間帯に行わせた場合には、深夜割増賃金率25%と時間外割増賃金率50%を足した75%の割増賃金を支払う必要があります。
    ただし、25%分の割増賃金は必ず金銭で支払う必要がありますが、労使協定がある場合には、それを超えた分は割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(代替休暇。年所定の有給休暇とは別に付与する必要があります。)を付与することができます。
  2. 消費者契約法改正(契約取消事由の追加等)
    2023年6月1日に施行予定の改正消費者契約法により、新たな消費者契約の取消事由として、勧誘する旨を告げずに退去困難な場所へ同行して勧誘した場合や脅して第三者への相談を妨害した場合等が追加されます。また、「法令に反しないかぎりにおいて損害賠償義務を免責する」といった不明確な一部免責条項は無効となり、「軽過失の場合は損害賠償義務を免責する」などと軽過失免責であることを明確化する必要があります。
    マーケティングリサーチ業において、何が消費者契約に該当するかは微妙な問題ですが注意が必要です。
  3. 消費税法改正(インボイス制度の導入)
    2023年10月1日施行予定の改正消費税法により、いわゆる「インボイス制度」が導入されます。こちらについては、もうご存知の方も多く、かつ、負担軽減措置も予定されているため詳細のご説明は割愛させていただきますが、インボイス制度に基づく適格請求書発行事業者となるには登録申請が必要なのでご注意ください(なお、財務省は「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答(令和5年1月20日時点)」において、インボイス制度が開始する令和5年 10月1日の直前などに登録申請を行って登録の通知が制度開始までにお手元に届かない場合も、令和5年 10 月1日に遡って登録を受けたものとみなされる、と回答しています。)。
掲載日

2023年2月21日掲載

紹介

鈴木理晶(すずき まさあき) 先生
ターナー法律事務所所長弁護士。JMRA顧問弁護士。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。弁護士法人にて、訴訟業務の他に会社諸規程整備や個人情報保護体制の整備に従事した後、ターナー法律事務所を開設。得意分野は、会社法、個人情報保護法、著作権法。

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