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JIS Y 20252 発行記念講演会(2019.11.11) 報告

ほんぶん

11月11日、JIS Y 20252「市場・世論・社会調査及びデータ分析」(10月21日発行)の意義や今後の活用方策について、経済産業省国際標準課の木田有香課長補佐、統計数理研究所の椿 広計所長、名古屋大学の山口景子准教授、JIS原案作成委員会のメンバー等をお招きし、記念講演会を開催しました。当日は公益社団法人 日本マーケティング協会(JMA)様のアカデミーホールをお借りし、JMRA及びJMAの会員社など約130名様のご参加をいただいて盛会となりました。


JMRAを代表して冒頭のあいさつに立った内田会長は、調査サービスのプロセスを規格化したJIS Y20252の遵守を推進し、旧来のJMRQSに代わる品質管理基準として採用することを発表しました。そして、会員社に対してはJISの認証取得を推奨するとともに、まずは当日発売された『規格解釈のガイドライン』(正会員社には1部ずつ贈呈されます)の熟読を促しました。また、こうした活動を通じてクライアントのマーケティング・アクションにつながるデータ及びインサイトの提供に向け、よりいっそう努力することが表明されました。

続いての第一部「JIS Y 20252発行の経緯とめざすもの」では、まず経済産業省の木田様より、JIS法改正(標準化対象分野の拡大)の意義が述べられました。そして、サービス業のISO規格をJIS化した第1号となるJIS Y 20252に大いに期待が集まっているとのエールが送られ、サービス分野における他の標準化の取り組み事例が紹介されました。

次に、統計数理研究所の椿様からは、様々な問題が明らかになっている公的統計の課題解決のために品質マネジメント対策が重要であること、今回のJIS Y 20252の発行がその一助となることへの期待が表明されました。また、今後の「データ駆動型時代」にあって、その原料にあたるデータの質保証の中核規格として、クライアントと調査会社が協力してこのJIS Y 20252を育てていくことへの期待が寄せられました。

第一部の最後に、JMRA・ISO/TC225国内委員会の一ノ瀬委員長より、国際的に市場調査業界が品質向上に取り組んで来た経緯と、JIS Y 20252にアクセスパネル管理とデジタルデータ分析が包含された意義が述べられました。また、内田会長のあいさつの内容を具体化して解説し、クライアントにとってのメリットをアピールしました。なお、これを機にJISの認証取得を目指す会員社には、JIS認証支援センターが積極的に支援する体制であることが補足説明されました。


休憩を挟み、第二部「調査サービスの発注者・受注者にとってのポイント」では、より具体的に認証審査に関わる運用上のポイントの説明と、実務家を交えたパネルディスカッションを行いました。

まず、日本能率協会審査登録センターの篠 審査員より、認証機関からみたこの規格の構造と特徴、審査の過程で着目しているポイント、新規項目(アクセスパネル、デジタルデータ分析)への対応、クライアントに注意喚起をお願いしたいこと等が述べられました。

パネルディスカッションでは、名古屋大学の山口准教授による司会進行のもと、発注者側・受注者側の現場を理解されている7人のパネラーより、それぞれの立場からJIS Y 20252への期待や展望が述べられた後、「価格への影響は?」、「そもそもクライアントのビジネス課題の理解が重要」、「システム化してもミス根絶は難しい?(別のミスが発生する?)」、「チェックのコピペ化による形骸化の懸念と、それを見抜く技は?」、「マンガによる解説本など、もっとわかりやすいものに」、などの具体例や要望をあげながら議論が進められ、会場は共感(時に笑い)を込めつつ、この規格の普及に取り組む必要性が認識されたものと思われます。

最後に、JMRAの村上専務理事が今回の講演会を総括し、今後の会員社向け取り組み強化の決意表明とともに、クライアントの皆さまへの理解促進を誓い、お開きとなりました。

(なお、さらに質問がある参加者のために、第三部「個別相談・質問会」の時間が設けられました)。


この場をお借りしまして、すべての参加者の皆様と、会場をお貸しいただき、広報にもご協力をいただいた日本マーケティング協会様に厚くお礼を申し上げます。

しりょう
りんく