2.世界のマーケティング・リサーチ業界
以下は、コロナ以前に実施されたESOMARのGMR (Global Market Research)2019、GREENBOOKのGRIT(Global Research Industry Trend)レポート、NewMRの独自の調査をもとにした、世界のマーケティング・リサーチ状況の将来予想図です。コロナ以前の世界全体のマーケティング・リサーチ業界は、調査支出全体で、約900億ドル (899億ドル)の規模でした。世界の調査費の52%を米国($47,136)が占めています。米国はテクノロジー系企業が多く、テクノロジー系のリサーチの成長が牽引しています。続いてイギリスが7%($6,449)となっています。以下、ドイツ($2,583)、中国($2,472)、フランス($2,424)が各3%ですが、遠くない将来中国がドイツを抜き4位になることが予想されています。日本($2,082)はフランスを少し下回っていますが、ドイツ、中国、フランス、日本のそれぞれの差は大きくありません。
調査のタイプ別内訳を世界的にみると、伝統的な調査(いわゆる定量調査、グループインタビュー、デプスインタビューなど)は、リサーチ市場の49%、半分以下でしかありません。
(ESOMAR Global Market Research 2020より)
(ESOMAR Global Market Research 2020より)
テクノロジー系 (デジタルデータ分析、DIY型調査、企業内の自主調査、ビッグデータなど)が26%、レポーティング (コンサルティング会社、ガートナーやフォレスターなどの発行するシンジケート調査、業界レポートなど)が21%となっています。北米地域に限ると、テクノロジー系の占める比率が31%とさらに大きく、伝統的調査は43%でしかありません。一方、アジア・パシフィックでは、伝統的調査は81%と多くを占めています。(日本は、77%)