開催報告「生成AI活用・情報交流会(第5回 11月度)」(2024.11.06)
インターネット調査品質委員会
岸田 典子
2024年11月6日、第5回「生成AI活用・情報交流会」が開催されました。この情報交流会は、2023年度のJMRAインターネット調査品質委員会で、生成AI(主にChatGPT)の活用検証を実施した中で、このような情報を業界の発展のために委員会の中に閉じず、もっと多くの人と共有し合いたいという思いで、気軽に積極的にオープンに情報交換をすることを目的に2024年6月より実施しています。
今回のライトニングトークは、以下の2つでした。
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発話分析ソリューションの「toitta(トイッタ)」 (株)はてな 米山弘恭様
- 楽々プロファイルのご紹介 楽天インサイト 小川広大様
Q&A、フリーディスカッションが行われました。
1. toittaトイッタ (株)はてな 米山弘恭様
toitta(トイッタ)とは、ウェブサービス開発会社の(株)はてなで、製品開発のために行なわれた多数のインタビューをまとめ、情報共有する必要から開発された社内ツールが元となり、プロダクト化されました。現在すでに、事業会社での活用がすすんでいます。
自動で動画の発言を書き起こすだけでなく、切片化、自動グルーピング、結果の要約などによって、共有に便利な定性分析の支援ツールです。動画のハイライトによる速報の作成など、アウトプットの容易さで工数の削減とともに情報共有や合意形成がしやすくなる点もユーザーに評価されています。
特に定性リサーチャーから使用感やアウトプットについて質問が続き、活発にQ&Aが行われました。
2. 楽楽プロファイル 楽天インサイト(株) 小川広大様
楽天では、Open AIとの提携により、従業員向けのRakuten AIを利用して社員が日常的に生成AIを活用したり、また英語が社内公用語ということから海外拠点のエンジニアと協業したりできる環境にあるとのこと。今回は、楽楽プロファイルシステムの紹介をしていただきました。
楽楽プロファイルは、ターゲット、比較対象の2軸の集計データを比較して、ターゲットユーザーの特徴をまとめるサービスで、この中の「人物像イメージ」「まとめコメント」がAIによって自動生成されています。プロファイルは50万人規模の価値観データを基に作成されています。またコメントや画像までAIによってスピーディーに作成されます。現在、AIチャットインタビュー、画像解析のAI活用も準備されているとのことでした。
生成AI情報交流会は、リサーチ業界の中で、どのような形で生成AIが活用され、どのようなサービスやツールが活用されるようになっていくのか、みなさんに知っていただく機会となりました。
インターネット調査品質委員会では、12月~1月にかけて、業界のAI関連のサービスの開発や推進担当者、およびインターネット調査パネルの品質についてのフォーカス・グループを実施します。
その内容を生成AIや今回紹介されたtoitta(トイッタ)で分析し、次回の情報交流会でみなさんに共有する予定です。