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アジア太平洋地域の年次イベント、APRC 2020 Virtual Conference開催 ― APRC参加レポート

ほんぶん

2020.11.16

報告:JIS認証支援センター長 一ノ瀬 裕幸


アジア太平洋地域の市場調査協会の連合組織であるAPRC(Asia Pacific Research Committee)の代表者会議(Summit Meeting)が11月11日にオンラインで実施され、翌12日には大会に相当するVirtual Conferenceが開催されました。後者は、今年の幹事国である中国CMRAの年次大会に合わせ、成都市のリアル会場(約300名が参加)と各国をオンラインで結んでの、いわゆる「ハイブリッド」方式となりました。
今回の参加国・地域は、日本、中国、韓国、台湾、香港、タイ、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランドの9カ国(モンゴルは欠席)でした。
代表者会議では、各国からCOVID-19の影響と対応状況が報告されました。台湾やニュージーランドを筆頭に、世界的にみて感染者・死亡者数ともに少ないアジア太平洋地域ではあるものの、経済活動への規制に伴う影響はどこでも甚大なものがありました。在宅勤務(Work from Home)、対面式調査のオンラインへの移行、データ分析業務への展開など、どの国でも共通した対策が取られており、今年度の業績見通しについても、売上高で対前年比マイナス10~20%くらいの影響が出そうだとのことでほぼ一致(日本の予測値とも近似)していました。国境を越える調査案件はまだ深刻な影響を受けていますが、各国の国内案件についてはおおむね復調しているようです。



JMRAからは、内田会長より日本の状況やこれまでの取り組みが報告されました。公的統計部門に向けたJIS Y 20252の普及対策に関連し、中国から「これから政府発注によるプロジェクトが増える見通しであるため、日本の経験を教えてほしい」との要望が出されるなど、各国間の交流が深められました。

12日のVirtual Conferenceでは、クライアントサイドからユニリーバ中国、ハイネケン韓国の方からCOVID-19がもたらした消費者行動の変容と、今後の対応方向性に関する講演がありました。
また、市場調査協会サイドのゲストとして、米国Insights Associationのメラニー・コートライトCEO、英国MRS(Marketing Research Society)のジェーン・フロストCEOから、それぞれ今後の業界に求められる仮説が提示されました。

米・英・豪州(The Research Society)の英語圏3協会では、コロナ禍に対抗するための共同調査研究に取り組んでおり、今後とも情報発信を続けていくとのことでした。JMRAでも、興味深い研究については随時ご紹介していきたいと思います。
下記URLは、今回MRSのCEOが講演され、一般に公開されたキャンペーンのご紹介になります。
『MRS Delphi Report: Fast Forwarding Research』
https://www.mrs.org.uk/campaign/video/fast-forwarding-research?MKTG

なお、残念ながら配信トラブルの発生によって一部のプログラムで音声途絶や画像硬直が生じてしまい、視聴された皆さまにはたいへんご迷惑をおかけいたしました。この場をお借りして深くお詫び申し上げます。視聴登録済みの皆さまは、以下のURLからプレゼンテーションの記録(録画:英語のみ)をご覧いただけます(↓)ので、参考にしてください。
https://researchsociety.com.au/training/live-training/aprc-2020-conference



まだCOVID-19からの経済回復がどうなるかは予断を許しませんが、来年(2021年)のAPRC Conferenceは秋頃にタイで、2022年は韓国で開催される予定です。

以上

けいさいび
2020.11.16掲載