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さぶたいとる

APRC Conference 2022 in Seoul開催報告
-韓国協会設立30周年に合わせ、ハイブリッド形式で


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APRC日本委員 一ノ瀬 裕幸


APRC(Asia Pacific Research Committee)2022のサミット会議(10月20日)とカンファレンス(21日)が、韓国市場調査協会(KORA)の設立30周年記念行事としてソウルで開催されました。

1.アジア太平洋各国市場の共通性

サミット会議では、参加各国の市場概況が共有されました。コロナ対策に伴う都市ロックダウンの影響が残る中国を除き、どの国でも業界全体の景況は回復してきたものの、それらは大手企業主導型の復調に依存しており、中小規模層では依然として苦境が続いているとのことでした。
一方で、個人会員が主体のオーストラリア協会(TRS)では、会員募集キャンペーンを通じて20%の増員を達成するなどの成果が報告されました。
また、ゲストとしてビデオ参加した英国協会(MRS)の新議長からは、リサーチャーの採用難が続いていることから、リクルート対策に力を入れているとの報告があり、各国にも共通する課題であるとの共感が寄せられました。

2.盛況だった3年ぶりの対面式イベント

21日のカンファレンスはリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催され、会場には海外代表を含む約180名が参集しました。日本からはJMRA事務局を含む8名が訪韓し、韓国のリサーチャーと交流を深めることができました。
冒頭、JMRAの内田会長をはじめとする各国協会代表者の挨拶に続き、日本でもおなじみのRay Poynter氏(英国)が基調講演を担当されました。また、クライアント側の発表者の1人として、日産自動車の高橋直樹氏(JMRAリサーチ・イノベーション委員会委員)から、「課題解決に向けた取り組みへの期待:クライアント視点から」と題した、インサイト提供機能の拡張に向けた自社の取り組みと調査会社のより高度な貢献を促すプレゼンテーションが行われました。
そのほか、CJやLGなど韓国を代表するクライアント企業の取り組み、調査会社側からは大接戦だった韓国大統領選挙の予測調査の話題、新しいリサーチトレンドの先進事例などが紹介され、充実したコンテンツが披露されました。

別の観点からの感想ですが、韓国語から英語への同時通訳が秀逸で、国際化という点では日本よりも進んでいる韓国産業界の底力を反映しているものと思われました。また、会場内はもちろん屋外に出ても、皆さん普通にマスクの着用が徹底されており、「ああ、こういうところは日本と同じだな」という文化的共通性を感じられました。

3.2023年は協会設立20周年のモンゴルで

次回は2023年9月14~16日の日程で、協会設立20周年を迎えるモンゴル(ウランバートル)で開催されます。「来年はぜひ参加してみたい」という方は、今からスケジュールを押さえてくださいますようお願いいたします。

以上

2022.11.08掲載